2008年4月28日月曜日

『一般理論』新訳

ケインズの『一般理論』。新訳ができると聞き、勇んで岩波文庫を注文したものの、ネットを覗いていたら「読んではいけない」類の評価を目にして「!!」。その昔、東洋経済新報社の九十九訳を買って、一応、最後まで目は通したものの、良く分からなかった記憶しかなかったので、この機会に読み直してみよう…あわよくば理解が少しは進むかも…なんて淡い期待があったのだが、ちょっと萎んでしまった。まあ、読んで見なきゃわからないが、どうも当初期待していたタイプの訳し方でなかったのは事実らしい。

近年マネタリズム的な言説が世間では圧倒的で、ケインズ派は劣勢。しかし、学説史的理解であろうと昔の不勉強を少しは補えるかと(笑)、その後の半世紀にわたる学問的成果が盛り込まれ、日本語としての体裁の整った翻訳になっていることを期待していたんですよね。でも、逐語訳タイプの訳らしい。

まあ、学生が授業用のテキストとして原書とセットで利用することを想定したのかもしれない。一般の人、例えばビジネスマンなどがわざわざ原典まで読んで経済のことを考えるだろうか、というと確かに学生が使うというケースより可能性は低いかも…。

ここから先は各自の理想像の違いだったのだけど、その本自体で完結したものになって欲しかったなという気分です。最も原書の表現を離れて日本語として意味が通るように言葉を補ったりする必要なども出てくるだろうから、そうなるとコミマではないけど、二次創作的なものになってしまうか…。それはそれでまた批判されることになるでしょうね。…そういうことで、結局自分が満足するためには、自分で原書を読めってオチですね(笑)。

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